私たちの体や目に見える形で散らばった周囲の物質のすべては宇宙の開闢時に生成される水素とヘリウム、さらに幾億もの年月かけて星から作り出された重元素を基にしてます。
これまでも幾多の星々の超新星爆発によって宇宙空間に拡散する重元素を含んだガスが周囲の星々へ取り込まれ、そして新たな元素を結合します。
この一連のサイクルが繰り返されることによって銀河ガス中の重元素量が増加し現在のような銀河と恒星の景観が形づくられるようになりました。星の形成と超新星爆発がなければ重元素が供給されなかったという意味で、私たちは星々と元素の化学進化の賜物と言えます。

これら一連の進化を演出する万象に宿った根源的な知性は、物質階層間に一貫した法則性をもたらし、一つの巨大な交響曲（シンフォニー）としてすべてが有機的な連携しています。宇宙の主音と主旋律を導く根源的知性は、各階層ごとに特徴的な質料をもたらし、階層間に相互連鎖反応的な協働関係を与え、刻々と維持更新を繰り返しながら全体としての有機性とバランスをとっています。交響楽団の各パートのように各階層がそれぞれの階層と主音を共鳴させ、共時的に同調するシンクロフォニックな複重奏です。星々から砂粒まで最上次元から最下次元まで編満する宇宙において、星々は物質的次元でガスを取り込み重元素を練成し、動植物と人間に基礎と形を与えます。また同時に、霊的次元では万物に霊的光線を送り届け、植物は生命力を、動物は情動を、人間は意志を獲得します。

肉体を使い地を穿ち、言葉を使い理を解し、イメージを使い過去と現在を編みあげるという人間の振る舞いは、物性のみで成せる技ではなく、物性の存在を背後から支え、そこに在らしめる宇宙の霊的知性の共時的働きとその顕現に他なりません。人間の体はそれ単体がシンフォニーであり、また地球に編満する各階層と共時的な同調を呼び起こすことのできるシンクロフォニックな楽器でもあります。

楽器にはそれぞれ階層毎の主音が上下と表裏に配されています。自らの主音と領域特性が何であるかを知り、大宇宙、大自然の中へ共振を生み出していくことは、この世界に誕生した因縁を知ることでもあり、潜在能力発現のための基本的テーマです。さらに、周囲に偏在する物質や動植物の霊的な進化を導き、宇宙の交響曲をより高くより調和の取れた姿へとシフトさせることで、私たちの楽器は天地をつなぎ世界をくくる創造と進化のリズムを演じる根源的知性の波形へと整えられていきます。

この宇宙を演出する各層ごとのシンクロフォニックな主音が、質料を異にする多重階層構造の有機的連続性を作り出します。私たち感情や意識を持つ人間がほかの物質群や動植物と異なる点は、一つの身体の中に実と虚の全ての質料を含み、全ての主音を奏でているということです。主音の違いは身体の上下に配分された質料の違いによって生じており、最低次元の重元素のみで構成される物質は有機的なチャクラシステムの励起と主音の調整を行うことで、全次元を兼ね備える人間との完全な共振幅の同調とシンクロフォニックな増幅効果を演出することができます。