時間的な過去や未来、空間的な規模や遠近、意識的存在の誕生や転生、さらにあらゆる因果律を排除した後に残る事象の一切は、すべてが繋がりあうフィールド内に堅実的な関係性を包含しながら機序の根底に横たわる自己完結型の統一的知性によって恒久的に運航されます。
情報とエネルギーが綿密に連動し合うシステムが織りなす有機的につながりあう大規模なネットワークシステムは人間が及ぼす認識作用の有無にかかわらず生起した事象から潜在した事象のすべてを管理し場に遍満する虚質空間に事象の一切を余すことなく記録し続けます。書き込みに際しては過去から未来に及ぶ保存層に追記され、包括的な因果から導かれる事象が逐次新たな原因と結果を演出します。
個体を形成する知的生命の惑星間種族は、虚空より生じる力動的機序をもとに個々がそれぞれ他に支えられ自らを再編成することで基軸を更新し続けます。常に新しく生じゆく虚空からの情報が紡ぎ出す万象のデザインと、エネルギーから創出される万物のエレメントは、根底に住まう統一的知性により一元的に命を与えられ、一人ひとりの中核に位置する神性は全体より生じる神性の総体と等価にあります。
つまり全体に帰属する個人の顕現は全体としての包括的生命の顕現でもあり、個人を主体に分化しゆく生命の系譜が、全宇宙に波及的な特質を与えていきます。関係性の中で醸成されゆく系統進化の枠組は、私たち人間を含む個性的かつ理性的な被造物としての存在の中核に浸透しており、霊性と物性の乖離を統合することで、有機的なシステムに通じる普遍的な知的神性としての内的ヴィジョンを持ち得ることが可能になります。
知性的活動で優位を占める大脳の機能が物理的かつ行動的な活動の表層を司るのに対して、超越的境地で優位を占める潜在的な知的中枢の機能が記録保持と霊的かつ精神的な深層を司ります。隔離や断絶を演じる物理世界と、融和や浸透を成す霊的な精神世界を分け隔てなく両立した世界にいながら、局所的かつ大局的に世界を垣間見る複眼的なヴィジョンの持ち主は自身の知的中枢が向くところの諸相を自在な識別力にて観察することが可能になります。