自然界に潜在するシステムを見出し、法則として定式化することで人間は科学を発達させ、高度な産業技術と高度な文明を築いてきました。森羅万象の全てに法則を見いだすこと、そして情報を絶え間なく更新することで、私たちの空間に対する利用技術はこの数十年間で圧倒的な飛躍を見せています。
様々な形で法則化する事象が存在する中で自然と人間を貫く唯一の法則は何かと言えば、それは数に他なりません。すべてはエネルギーとその振動であり、それらで構成される惑星や天体、色彩や形状、熱やエネルギー、人間や鉱物、民族や人間の運命、ありとあらゆる存在は音と光の振動によって成り立っています。そして音と光の所作は、周波数であり、周波数は最終的に数へと帰着させることができます。
つまりこの世界を構成する最小単位の要素は数であり、森羅万象の根底に一貫する動的原理は数の法則です。空間の微粒子から巨大な大地、遥かなる山脈に至るまで、それぞれ固有の比率で振動し、数からなるパーソナリティの様相を帯びます。そして私たちは大自然という諸法が統合された偉大なエネルギーの大海に、自らのパーソナリティ及び数的特色を見つけ、それらが数によって統御されていることに気づきます。

虚空から全体を生み出すこの宇宙において私たち人間は、この世に肉体となって誕生する以前に、すでに霊的な形で非局在的な形で浸透していると言えます。私たちの高次意識は、自らが必要とする経験が何であるか、霊的な成長のために何が必要かを知り、不可欠な経験の渚へと導く時間と空間に、特質的な周波数として、必然的かつ計画的に誕生します。
私たちが誕生した年月日時と座標空間の数、及び姓名からもたらされる数の影響もすべて必然的な数の投影であり、それらは霊的な状態において選択されたものです。人間と社会、そして自然の法則性との関係性が根源的に数によって成立しており、それは私たちの人生の目的や使命、性格や運命、方位の吉凶や日時の善悪、運勢の流れや開運の手段にいたるまで、人間にまつわる所作すべては根源的に数に帰着します。
数とそのエネルギーがこの世界を構成する根本形態であり、それぞれの数が帯びる特徴的なエネルギーを数霊といいます。数霊を扱う西洋の神秘主義的な占術を数秘術といい、同様に東洋での数霊を扱う神秘主義的な呪術を数霊術といいます。周期的な時間のサイクルは太陽と月を中心に形成されているフェニキア(Phoenicia)文字由来の西洋に発祥し、階層的な空間のサイクルは精神性を中心に形成される数詞由来の東洋において発祥したものです。西洋的な時間的法則と、東洋的な空間的法則は、相互の対極的な数の利用と転換によって、根源的な動的原理へと集約されます。
数秘術と数霊術を基礎に時間と空間を生きる知る者は、数によって自他を理解し、関係性を調律し、運を開き、幸運や福徳、動的原理に即しあらゆる恩恵を増幅するようになります。